※この記事は、個人や勤務先が特定されないよう、時期・順序・状況の一部を再構成しています。オンコールの体制や手当は、事業所によって大きく異なります。
訪問看護への転職を考えたとき、オンコールを不安に感じる人は多いと思います。
夜中に何度も電話が鳴るのか。
急変時に一人で判断しなければならないのか。
眠れないまま、翌日も普通に働くのか。(これはちょっとしんどいです)
自分も、初めからオンコールが平気だったわけではありません。
ただ、複数の事業所でオンコールを経験して感じるのは、オンコールがきついかどうかは、月に何回持つかだけでは判断できないということです。
確認すべきなのは、実際のコール数や出動数、手当、翌日の勤務調整、社用車の有無、困ったときの相談体制です。
条件が整っていれば、オンコールは負担だけではなく、収入を増やせる働き方にもなります。
この記事では、訪問看護のオンコールについて、自分の実体験をもとに紹介します。
訪問看護ステーション全体の選び方については「訪問看護ステーションの選び方|転職前の見学で確認したい8項目」の記事にまとめています。
訪問看護のオンコールとは
オンコールとは、事業所の営業時間外に利用者や家族から連絡を受けられるよう、看護師が電話を持って待機する働き方です。
電話で相談を受けて終わる場合もあれば、利用者宅へ緊急訪問する場合もあります。
待機中は自宅で過ごせる事業所が多いですが、いつでも電話に出て、必要であれば訪問できる状態でいる必要があります。
そのため、完全な休日とは異なります。(病棟の夜勤前のような気分でした)
ただし、実際の負担は事業所によってかなり違います。
- 月に何回担当するのか
- 電話が何件鳴るのか
- 電話だけで終わるのか
- 出動になる割合はどれくらいか
- どのような利用者を担当しているのか
- 夜間出動後に勤務調整があるのか
同じ「オンコールあり」の求人でも、中身はまったく違います。
自分は現在、週1〜2回程度持ってます
現在の職場はシフト制で、自分がオンコールを持ちたいときに希望を出せる仕組みです。
自分は今のところ、週に1〜2回程度持っています。
毎週同じ曜日を担当することが多いですが、まったく電話が鳴らない日もあれば、1晩で8件ほど鳴ることもあります。
8件と聞くと、かなり多く感じるかもしれません。
ただ、現在の職場は電話対応や緊急訪問に対する手当がしっかり出るため、自分としてはそれほど気になりません。
電話が鳴った後の訪問も調整してくれたり、休憩時間を多めにとってくれたり、かなり配慮してくれていると思います。
反対に、電話や出動が多いのに手当が極端に少なければ、同じ件数でも受け止め方は大きく変わると思います。
オンコールの負担は、回数だけでなく、仕事量に見合った還元があるかどうかでも変わります。
電話をする人は、その生活に必要なケアを求めている場合が多い
現在の職場では、電話相談だけでなく、実際に看護師に来てほしいと考え電話をしてくる利用者さんが多いです。
そのため、電話が鳴った場合は、緊急訪問になる割合も高めです。
相談内容はさまざまです。
- おむつ交換を手伝ってほしい(ヘルパーさんはまだ介入していないケースです)
- 点滴が漏れている(細い血管に、夜中点滴するの、なかなかハードです)
- 何となく体調が悪い(熱中症でした)
- 血を吐いた(これはすぐ行って救急搬送しました、びっくり)
- 呼吸が止まったように見える(無呼吸でした、お元気です)
日常生活上の困りごとから、すぐに状況を確認する必要がある連絡まで幅があります。
電話を受けた看護師は、利用者や家族から状況を聞き取り、電話で対応できるのか、実際に訪問する必要があるのかを判断します。
ただし、テレビドラマで見るような、劇的な急変に毎回立ち会うわけではありません。
実際には、利用者や家族の不安を聞き、状況を整理し、必要な対応につなげる仕事が多いです。
朝まで訪問を続けた日もある
普段は、電話が鳴らない日や、数件の対応で終わる日もあります。
ただ、以前、仕事が終わった直後から30分〜1時間おきに電話が鳴り続けた日がありました。
1件訪問し、車に戻ると次の電話が鳴る。
次の利用者宅へ向かい、対応が終わると、また別の電話が入る。
その日はほとんど自宅へ戻れず、夜通し車で利用者宅を回ることになりました。
気が付くと空が明るくなっていて、朝日が昇ってきたことに驚いたのを覚えています。
オンコールをしていると、このような日が絶対にないとは言えません。
だからこそ重要なのが、翌日の勤務調整です。
夜間対応後に調整してくれるかが重要
朝まで対応した翌日も、予定どおりの訪問をすべてこなすのは現実的ではありません。
自分が勤務していた事業所では、管理者が状況に応じて、
- 翌日の訪問件数を減らす
- 勤務開始時間を遅らせる
- 午前休にする
といった調整をしてくれました。
オンコール手当の金額も大切ですが、夜間対応をしたスタッフに対して、管理者や他のスタッフさんがどのように協力してくれるかも重要です。
「夜間に何件出動しても、翌日は通常どおり勤務してください」という職場では、長続きできる自信がありません。
特に職員数が少ない事業所では、翌日の訪問を代わってもらえる人がいなかったり、オンコールを交代できなかったりすることがありました。
2週間ずっと電話番持ちっぱなしという経験もあり、あれは流石に堪えました。
ただ、人数が少ないことだけで悪い事業所とは言えませんが、少人数で運営している事業所ほど、夜間対応後の調整方法や、欠員時のバックアップ体制を具体的に確認した方がよいと思います。
オンコール手当は事業所によって大きく違う
自分が経験した範囲でも、オンコール手当にはかなり差がありました。
電話や出動に対する手当が1件1,000円程度の職場もあれば、出動1件につき9,000円程度支給される職場もありました。
待機手当についても、
- 電話を持って待機するだけで1回1,000円程度
- 平日・土日祝日にかかわらず1回6,000円程度
- 電話対応や出動件数に応じて追加される
など、仕組みはさまざまです。
金額だけを比較すればよいわけではありません。
待機手当が高くても、電話や出動に追加手当が付かないこともあります。
反対に、待機手当はそれほど高くなくても、出動件数に応じてしっかり還元される職場もあります。
自分としては、実際に対応した件数に応じて還元される事業所の方が、スタッフの負担を理解し、大切にしようとしている印象があります。
オンコールを持つということは、夜間の生活を制限し、いつでも電話に出られる状態で待機するということです。
さらに訪問が必要になれば、深夜でも車を運転し、利用者宅で看護を行います。
「オンコール手当あり」とだけ書かれていても、具体的な金額と計算方法を確認しなければ、実際の待遇は分かりません。
寝ているときの電話には少し驚く
オンコール中でも、電話が鳴らなければ普段どおり自宅で過ごせます。
自分の場合、オンコール中だからといって、ずっと緊張して待ち続けているわけではありません。
ただ、眠っているときに突然電話が鳴ると、今でも少しドキッとします。
着信音で起き、すぐに頭を切り替えて、利用者や家族の話を聞かなければなりません。
最初は負担を感じる人もいると思いますが、自分はある程度経験を重ねることで慣れました。
ただ、時々電話の音が幻聴で聞こえることもあります(笑)
病棟のナースコールみたいなものです。
一方で、睡眠を中断されると体調を崩しやすい人や、夜中に電話が鳴っても起きられない人には、オンコール勤務が大きな負担になる可能性があります。
オンコールがある職場を選ぶ際は、手当だけでなく、自分の睡眠や体調、翌日への仕事の影響も考えた方がよいと思います。
夜間訪問は社用車がよい
オンコールでは、緊急訪問のために車を使用することがあります。
自家用車を使用する事業所もありますが、自分は現在、社用車のある職場を選んだ方がよいと考えています。
自家用車の場合、ガソリン代が支給されたとしても、それだけで負担がすべて補われるわけではありません。
- 車検
- タイヤやオイルなどの消耗品
- 自動車保険
- 修理費
- 走行距離の増加
- 車両そのものの価値低下
- 訪問先周辺の駐車料金
なども発生します。
ガソリン代だけ支給されても、車の維持費までは補えないことがあります。
社用車であれば、車両代や維持費だけでなく、自宅付近の駐車場も事業所が契約してくれる場合があります。
また、路駐も多いので自家用車だと駐車許可証が使えないこともあり、切符を切られることもしばしば・・・(知り合いは3回連続で切符を切られてしまい、嘆いていました)
職員の自家用車や私物を使用する前提でありながら、十分な補償を行わない職場は、職員の善意や私財に依存した運営になっていないか確認が必要です。
自家用車を使う場合は、少なくとも以下を確認した方がよいと思います。
- ガソリン代の計算方法
- 駐車料金の負担
- 事故時の保険
- 業務使用に対応した任意保険が必要か
- 車両手当や維持費の補助
- 事故や故障時の責任
オンコールが向いている人
オンコールに向いているのは、ある程度割り切れる人だと思います。
夜間に電話が鳴っても比較的起きられ、状況に応じて頭を切り替えられる、というよりは「これは仕事」と歯車を合わせられる人です。
また、すべてを一人で抱え込まず、判断に迷ったときに管理者や医師へ連絡、相談できることも重要です。
反対に、次のような人は負担が大きくなりやすいかもしれません。
- 夜中の電話では起きられない
- 睡眠を中断されると翌日まで体調に影響する
- 夜間の運転に強い不安がある
- 一人で判断することに強いストレスを感じる
- 家庭の事情で急な外出が難しい
ただし、現在苦手だから、今後もできないとは限りません。
同行訪問や相談体制が整った職場で経験を重ねることで、少しずつ対応できるようになる場合もあります。
大切なのは、「オンコールあり」という言葉だけで判断せず、その事業所の体制が自分に合っているかを見ることです。
面接で必ず確認したい5項目
1.実際のコール数と出動数
オンコール1回あたりの平均コール数と出動数を教えてください。直近3か月で最も多かった日は、何件程度でしたか。
「ほとんど鳴りません」という説明だけでは判断できません。
平均だけでなく、忙しい日はどの程度になるのかも確認します。
2.担当回数とシフトの決め方
月に何回程度担当しますか。担当日は希望制ですか、固定ですか。担当できない月は調整できますか。
生活に合わせて希望を出せるのか、事業所から一方的に割り振られるのかで、負担は変わります。
3.待機・電話・出動の手当
待機手当、電話対応手当、出動手当はそれぞれいくらですか。深夜や休日、複数件対応した場合に金額は変わりますか。
「オンコール手当あり」だけでなく、内訳まで確認します。
4.夜間対応後の勤務調整
夜間に複数回出動した場合、翌日は訪問を減らす、開始を遅らせる、午前休にするなどの調整がありますか。
可能であれば、「過去に実際どのような調整をしたか」まで聞きます。
制度上は調整可能でも、実際には一度も調整されていない場合があるからです。
5.車両と相談体制
夜間訪問は社用車ですか。駐車場やガソリン代は事業所負担ですか。同時に複数の依頼が来た場合や、判断に迷った場合は誰へ相談できますか。
車の条件と、看護判断の相談先をセットで確認します。
オンコールは、怖い急変ばかりではない
オンコールと聞くと、夜中に重大な急変が起き、一人で命に関わる判断をする場面を想像するかもしれません。
実際には、テレビドラマのような劇的な場面ばかりではありません。
おむつ交換、点滴のトラブル、何となく体調が悪いという相談など、日常生活の延長にある連絡も多くあります。
もちろん、吐血や呼吸状態の変化など、緊急性の高い連絡が入ることもあります。
ただ、オンコールの仕事は、すべてを一人で解決することではありません。
利用者や家族から状況を聞き、必要に応じて訪問し、主治医や管理者などと連携しながら、次の対応につなげる仕事です。
相談体制が整っていれば、経験を重ねながら判断力を身につけていくこともできます。
まとめ|回数よりも、手当と支援体制を見る
訪問看護のオンコールがきついかどうかは、月に何回持つかだけでは決まりません。
確認したいのは、
- 実際のコール数と出動数
- 担当日の決め方
- 待機・電話・出動手当
- 夜間対応後の勤務調整
- 社用車の有無
- 判断に迷ったときの相談体制
です。
自分は現在、週1〜2回程度オンコールを持っています。
電話がまったく鳴らない日もあれば、8件ほど対応する日もあります。
それでも、対応した仕事に対して手当がしっかり支給され、翌日の勤務も調整してもらえるため、大きな不満はありません。
オンコールがあること自体を理由に、訪問看護を諦める必要はないと思います。
ただし、職員の生活を制限する仕事だからこそ、十分な還元と支援がある事業所を選ぶことが重要です。
求人票の「オンコールあり・手当あり」という一文だけではなく、面接や見学の際に、実際の件数と運用方法まで確認してみてください。
基本給、賞与、固定残業代を含む給与全体の見方は「訪問看護師の給料は高い?求人票で確認したい固定残業代・手当・賞与」にまとめています。

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