※この記事は、自分が複数の訪問看護ステーションで働いた経験をもとにしています。勤務体制や休暇の運用は、事業所によって異なります。
訪問看護の求人では、
「直行直帰可能」
「希望休を考慮」
「柔軟な働き方ができる」
といった言葉をよく見かけます。
実際、自分が現在働いている職場はシフト制で、社用車を自宅付近の駐車場に置き、基本的に直行直帰で働いています。
休みを取りたい時は休み、収入を増やしたい時は時間外の訪問を増やすなど、働き方をある程度自分で調整できます。
病院勤務と比べても、生活に合わせて働きやすいと感じています。
ただし、同じ「直行直帰」「希望休あり」と書かれた職場でも、実際の自由度は大きく異なります。
大切なのは、制度があるかどうかだけではなく、その制度をスタッフが実際に使えているかです。
この記事では、訪問看護の直行直帰、希望休、有給休暇、休日の連絡などについて、実体験をもとに紹介します。
訪問看護ステーション全体の選び方は、「訪問看護ステーションの選び方|転職前の見学で確認したい8項目」にまとめています。
現在はシフト制・直行直帰で働いている
現在の職場は、シフト制で直行直帰が基本です。
社用車は自宅付近に事業所が借りた駐車場へ置き、朝は事業所へ出勤せず、そのまま最初の利用者宅へ向かいます。
訪問予定も、ある程度は自分で調整できて、とても動きやすいです。
ある程度思うように働けることが、ここまで働きやすいことなのかと、実感しています。
自分は仕事量が多い場合、「盛り上がってきたぜ」とやる気が出るタイプなので、仕事が多くてしんどいな、とはあまり感じません。
自分で対応できる範囲は自分で調整し、難しい部分は管理者やほかのスタッフが協力する。
誰か一人に責任を押し付けるのではなく、各自が無理のない範囲で支え合える体制になっています。
同じシフト制でも、予定を変更するたびに管理者の機嫌をうかがう職場と、必要な調整を相談できる職場では、働きやすさがまったく違います。
直行直帰のメリット
自分が直行直帰で特に大きいと感じるメリットは、次の点です。
- 通勤時間が減る
- 訪問の合間に記録や休憩ができる
- 自分で予定を組みやすい
- 仕事後の予定を立てやすい
- 不要な朝礼や会議が少ない
- 訪問と利用者への対応に集中できる
病院勤務では、実際の看護以外にも、朝礼、申し送り、会議、委員会などに時間を取られることがありました。
訪問看護でも情報共有は必要ですが、現在は電子カルテ、電話、オンライン会議などを使えるため、全員が毎回事業所へ集まらなくても仕事は進められます。
必要な時だけ事業所へ寄り、普段はそれぞれが訪問へ向かう。
自分には、この距離感が合っています。
直行直帰でも孤独はあまり感じない
直行直帰のデメリットとして、
- スタッフと顔を合わせる機会が少ない
- 判断に迷った時に相談しにくい
- 孤独を感じる
といわれることがあります。
自分の場合は、そこまで大きなデメリットを感じていません。
必要があれば事業所へ寄りますし、判断に迷えば電話で相談します。
オンライン会議やLINE通話などもあるため、相談のためだけに全員が一か所へ集まる必要性は以前より少なくなっていると思います。
ただし、これは相談先が明確で、電話をした時にきちんと対応してもらえることが前提です。
「直行直帰だから自分で判断してください」という職場では、経験の浅い人ほど負担が大きくなります。
面接では、
訪問中に判断に迷った場合は、誰へ相談できますか。
管理者が不在の場合の相談先はありますか。
と確認しておくと安心です。
希望休や連休を取りやすい
現在の職場では、希望休に厳しい制限はなく、土日や連休、旅行のための休みも取りやすいです。
事業所によっては、週休3日制を取り入れているところもあります。
休みを取るために、
自分の利用者だから、自分が行かなければならない
と一人で責任を抱え込む必要もありません。
必要な訪問は、管理者やスタッフ間で調整します。
自分で調整できる場合は、先に代わりのスタッフへ相談し、管理者へ報告すれば済むこともあります。
長期の海外旅行へ行く人や、国内外へ頻繁に旅行する人もいます。
自分も休みを利用して旅行へ行きますが、休むたびに職場へ強い罪悪感を持つことはありません。
休暇制度が存在するだけでなく、実際にスタッフが使えていることが重要です。
有給休暇の取得を個人の責任にしない
有給休暇を取る時に、
自分の訪問は自分で全部調整してください
代わりに訪問する人を自分で見つけてください
という職場もあります。
自分で調整できる範囲を整理すること自体は、悪いことではありません。
ただし、代わりの職員が見つからなければ休めない仕組みでは、有給休暇を取りづらくなります。
現在の職場では、必要な調整は基本的に管理者が対応します。
自分で調整できる場合は調整して報告しますが、休む本人だけに責任を負わせる体制ではありません。
過去には、急な事情があっても自分で代わりのスタッフを探さなければならなかったり、休むことについて周囲からいろいろ言われている人を見たりしたことがあります。
休暇を申請するたびに理由を細かく説明させたり、周囲の顔色をうかがわせたりする職場は、長く働き続けにくいと感じます。
休みやすさは職員数と管理者で変わる
訪問看護では、職員数が少ないと休みの調整が難しくなることがあります。
- 希望休が重なると取れない
- 代わりに訪問できる人がいない
- 有給休暇を使いにくい
- オンコールの回数が増える
- 一人が休むとほかの職員へ大きな負担がかかる
といった状況です。
人数が少ない事業所が、すべて働きにくいわけではありません。
管理者が新規依頼を調整したり、無理な訪問件数を受けなかったりすることで、少人数でも働きやすい職場はあります。
反対に、「みんなで助け合おう」という言葉が強い職場ほど、実際には協力する人が固定され、特定のスタッフへ負担が偏っていることもあります。
助け合いは大切ですが、善意を前提にしすぎる運営には注意が必要です。
誰かが休むたびに、いつも同じ人が埋め合わせる
状態は、支え合いというより属人化です。
休みやすさを見る時は、休日数だけでなく、職員数、訪問件数、管理者の調整力も確認した方がよいと思います。
稼ぎたい時は時間外訪問を増やせる
現在の職場では、仕事量をある程度自分で調整できます。
たとえば、私生活の予定がある日は、
18時以降は訪問を入れないでほしい
と予定に入れておけば、その時間帯には基本的に訪問を入れないよう調整してもらえます。
反対に、収入を増やしたい月は、勤務時間外の訪問を多めに担当できます。
そのため、
- 今月は旅行があるので仕事を抑える
- 支出が多かったので翌月は少し働く
- 疲れている時期は時間外訪問を減らす
といった調整ができます。
収入と休みを完全に自由に決められるわけではありませんが、自分の生活に合わせて選択できる余地があります。
訪問看護師の給与や時間外訪問については、「訪問看護師の給料は高い?求人票で確認したい固定残業代・手当・賞与」で詳しく紹介しています。
訪問の合間は事業所のルールを確認する
訪問と訪問の間に、長い空き時間ができることがあります。
自分の場合は、
- 車内で待つ
- 記録をする
- 食事や休憩を取る
などをして過ごします。
必ず事業所へ戻らなければならないという決まりはないため、ある程度自由です。
ただし、勤務時間中なので、私用を済ませる時間として自由に使っているわけではありません。
訪問間の時間をどう扱うかは、事業所の規則によって異なります。
- 勤務時間として待機する
- 休憩時間として扱う
- 中抜けとして扱う
- 記録や電話対応を行う
など、運用を確認する必要があります。
直行直帰だからといって、勤務時間の境界が曖昧なままでよいわけではありません。
自宅を出た時間から勤務開始なのか
最初の訪問開始からなのか
訪問間の移動や記録は勤務時間なのか
を入職前に確認した方がよいと思います。
GPSや車載カメラの目的を確認する
事業所によっては、社用車の位置をGPSで把握したり、車載カメラを設置したりしている場合があります。
事故対応、盗難防止、緊急時の位置確認など、安全管理の目的で導入されていることもあります。
そのため、GPSやカメラがあるだけで悪い職場とは判断できません。
ただ、自分が見聞きした範囲では、職員の行動を細かく監視し、信頼より管理を優先する事業所は、スタッフが定着しにくい印象がありました。
働いていた人に聞くと、スタッフの同行を追って逐一確認してくる管理者がいる、と。
ずっと監視されている環境は、居心地のいいものではありませんよね。
ただ、重要なのは、導入の目的と使い方です。
見学時には、
社用車にGPSや車載カメラはありますか。
どのような目的で、誰が記録を確認しますか。
記録の保存期間や利用範囲は決まっていますか。
と確認してもよいと思います。
スタッフの安全を守るための仕組みなのか、行動を常に監視するためのものなのかで、意味は変わります。
そういうものが導入された経緯も聞くと、事業所のバックグラウンドが見えるかと思います。
急な休みは管理者が調整する
体調不良や家庭の事情で、急に休まなければならないこともあります。
現在の職場では、
- 管理者が訪問を振り分ける
- ほかのスタッフが代行する
- 自分で対応できる場合は利用者やスタッフへ連絡する
という形で対応しています。
誰かが急に休むことは、どの職場でも起こり得ます。
それを「休んだ本人の責任」として処理するのではなく、事業所としてどう対応するかが重要です。
過去には、急な事情でも自分で全訪問を調整しなければならなかったり、代わりの人が見つかるまで休めなかったりする職場もありました。
急な休みのたびに責められる環境では、体調不良でも無理をして出勤する人が増えます。
それは本人だけでなく、利用者にとっても安全な状態とはいえません。
オンコールがなければ休日は仕事から離れられる
現在は、オンコールを持っていない休日であれば、基本的に仕事から離れられます。
業務LINEが動いていることはありますが、自分が気になれば確認する程度です。
すぐに確認しなかったからといって、問題になる体制ではありません。
利用者の情報は電子カルテへ記録し、必要な引き継ぎも記録上で済ませます。
休日は、ご飯を食べたり、映画を見たり、旅行へ行ったりして過ごせます。
訪問看護では、利用者との距離が近い分、休みの日にも状態が気になることがあります。
ただ、気になることと、休日も対応する義務があることは別です。
記録と引き継ぎを行った後は、勤務中のスタッフへ任せることも必要です。
休日まで善意で対応を続けると、いつの間にか無償の仕事として定着してしまうことがあります。
求人票の言葉だけでは休みやすさは分からない
求人票には、基本的に職場の良い部分が書かれます。
たとえば、
- 直行直帰可能
- 希望休考慮
- 有給取得率が高い
- 残業ほぼなし
- 子育てと両立可能
- 柔軟な働き方
- オンコール相談可能
といった表現です。
これらが虚偽とは限りません。
ただし、「可能」「考慮」「相談」という言葉は、実際にどこまで利用できるのか分かりにくい表現でもあります。
「直行直帰可能」
毎日直行直帰できるのか、週に数回だけなのかを確認します。
事業所へ立ち寄る必要があるのは、週に何回程度ですか。
「希望休考慮」
希望休を申請できる日数と、実際に通る割合を確認します。
希望休は月に何日まで申請できますか。
土日や連休の希望も取得できますか。
「有給取得率が高い」
取得率だけでなく、連休として使えるかを確認します。
直近1年間で、常勤スタッフが連続して取得した有給は最大何日程度ですか。
「残業ほぼなし」
記録や電話対応が勤務時間外になっていないかを確認します。
最終訪問後の記録は、勤務時間内に終えられていますか。
「オンコール相談可能」
回数を相談できるだけなのか、担当しない選択ができるのかを確認します。
実際にオンコールを担当していない常勤スタッフはいますか。
求人票を読んだだけで判断せず、見学時にスタッフの働き方を確認することが必要です。
面接や見学で確認したい質問
休みや働き方については、次のように質問すると実態が分かりやすくなります。
希望休は月に何日程度申請できますか。
土日や連休の希望休を取っているスタッフはいますか。
有給休暇を使って長期旅行へ行くことは可能ですか。
急な体調不良の場合、訪問の調整は誰が行いますか。
休む本人が、代わりのスタッフを探す必要はありますか。
オンコールを持っていない休日にも、連絡対応は必要ですか。
直行直帰の場合、勤務時間はどこからどこまでですか。
訪問間の空き時間は、どのように扱われますか。
時間外訪問を希望しない場合、断ることはできますか。
反対に、収入を増やしたい場合は時間外訪問を増やせますか。
可能であれば、管理者だけでなく、実際に働いているスタッフにも聞いてみます。
制度として可能でも、現場では使いにくいことがあるからです。
まとめ|制度より、実際に選べる職場かを見る
訪問看護は、直行直帰やシフト制を活用することで、病院勤務より生活に合わせた働き方をしやすい場合があります。
自分も現在は、休みたい時には休み、働きたい時には時間外訪問を増やすなど、収入と私生活をある程度調整できています。
ただし、同じ制度が書かれていても、実際に利用できるかどうかは職場によって異なります。
自分が特に確認してほしいのは、次の点です。
直行直帰でも、勤務時間を明確にする。
休みやすさは、職員数と管理者、スタッフの関係で決まる。
稼ぎたい時と休みたい時を調整できる職場を選ぶ。
休日まで善意で対応しない。
有給休暇や希望休の取得実績を、見学時に確認する。
制度があることと、遠慮なく使えることは別です。
求人票の「柔軟な働き方」という言葉だけで判断せず、実際にスタッフがどのような休み方をしているかを確認してください。
自分の生活を安定させ、きちんと休める環境があるからこそ、利用者にも余裕を持って向き合えると思います。

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